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光触媒酸化チタン水溶液

光触媒酸化チタン水溶液 ナノチタンコート

ナノチタンコート(水系光触媒酸化チタン)は太陽光蛍光灯などの紫外線のあたる場所で光触媒反応を起こします。

1.防汚機能
(1)外壁や施設の雨筋汚れの防止(コンクリート、金属パネル、タイル、石材など)。
(2)天井、壁、クロス、カーテンへのタバコのヤニ等、汚染付着の防止。厨房設備への油煙付着防止。
2.有害化学物質分解機能
ビニールクロスや合板からのホルムアルデヒド、揮発性有機化合物を分解、飛散抑制(シックハウス対策)。
3.抗菌機能
浴室、壁、天井の防カビ、防藻。室内クロスの防カビ、室内浮遊菌の抑制、外壁のカビ汚染防止。
4.脱臭機能
トイレ、浴室の消臭(アンモニア臭、カビ臭)、部屋のタバコ臭とペット臭抑制。
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図1.二酸化チタンの光触媒作用の原理

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図2.環境浄化作用


光触媒技術と新しい酸化チタンコーティング剤

1.はじめに
 院内感染、風呂やトイレのカビ、窓ガラスの汚れ、自動車の排気ガス、NOx、いやな臭い、飲み水中のトリハロメタン…。これらの目に見えない細菌やカビ の増殖、様々な汚れ、大気中や水中の発癌性物質あるいは悪臭などは、全て有機物や窒素酸化物などであり、私達の快適な生活を脅かすものです。
 最近の清潔ブームに乗って数々の抗菌商品が売り出されていますが、抗菌製品には銀や銅を用いた金属系、人工あるいは天然の有機物を用いた有機薬品系およ び二酸化チタンを用いた光触媒があります。金属系や有機薬品系の抗菌剤は細菌には効果がありますが、その他の有害物質には全く効きません。一方、光触媒 (二酸化チタン、TiO2)の場合、太陽や蛍光灯に含まれる微弱な紫外線が当たると強い酸化作用が生じ、有機物などからなる有害物質を酸化分解できるとい う優れた機能があります。ここでは、二酸化チタン光触媒について説明します。

2.二酸化チタン
 二酸化チタンは、従来から主に白色顔料として用いられている材料であり、塗料、化粧品、磁器原料、合成樹脂、繊維、製紙、ゴム、コンデンサーなどに広く利用されています。また、食品添加物としても用いられており、人畜無蓋の物質です。
 これらの用途とは別に、二酸化チタンは光を吸収して非常に高い酸化作用を生じる光触媒としても知られています。他にも光触媒物質はありますが、二酸化チタンが化学的に安定で、透明、無害であることが他の材料の追随を許さない大きな理由です。
 二酸化チタンの結晶系にはルチル、アナタース、ブルッカイトの三種類がありますが、アナタースが光触媒として最も一般的に利用され、その触媒活性にも優れています。

3.光触媒作用の原理
 二酸化チタンは半導体であり、ある波長以下の光(アナタースの場合は388nm以下の紫外線)を吸収し電子と正孔が生成すると言われています(図1)。 通常はすぐに再結合して消滅しますが、光触媒では再結合する前に他の物質と酸化還元反応が起こり易いのです。二酸化チタン光触媒の特徴は、正孔の強い酸化 力にあります。この正孔が直接有機物を酸化したり、水と反応して酸化力の非常に高いヒドロキシラジカル(・OH)を生成し、これが有機物を酸化すると言わ れています。一方、電子は空気中の酸素を還元してスーパーオキサイドアニオン(O2-)を生成し、これも抗菌や有機物の分解に寄与し、過酸化物や水に変化 していくと考えられています。このような化学種が効率よく生成されるためには、電子や正孔が二酸化チタンの表面に現れ易くする必要があり、そのためには二 酸化チタンの粒子の大きさを小さくしなければならないのです。ちなみに市販されている光触媒用二酸化チタンの粒子の大きさは100nm以下のものがほとん どです(ナノチタンコートは10nm)。

上記の図のように、この光触媒の強い酸化力によって、見かけ上の様々な効果が出てきます。例えば、ガラスなどの表面に二酸化チタンをコーティングして提要 や蛍光灯の光を照射すると、有機物の汚れの分解、空気中や水中の有害物質の分解、殺菌などが容易に起こります。一方、二酸化チタン自体は全く変化がないた め、光触媒の効果は半永久的に持続できます。
 光の中にわずかに含まれる紫外線によって、このような効果が出てくるのは驚くべき事実です。光触媒には、光の強度が弱ければ弱いほど有機物の分解に有効 に使用される光の割合(量子効率)が良くなるという特徴があり、弱い蛍光灯の光でも充分な効果があります。これは光触媒の実用性の高さを示していると言え ます。
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●光触媒作用による植物油の分解実験

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●ビニールクロスや合板からのホルムアルデヒド、揮発性有機化合物を分解


4.ナノチタンコートの機能
ナノチタンコートは、太陽光や蛍光灯などの紫外線のあたる場所で光触媒反応を起こします。

・防汚機能
外壁や施設の雨筋汚れの防止(コンクリート、金属、パネル、タイル、石材など)
天井、壁、クロス、カーテンへのタバコのヤニなど、汚染付着の防止
厨房設備への油煙付着防止。
台所レジン周りに一日で付着する油の平均量と、ほぼ同程度(.1mg/1cm2)のサラダオイルを、酸化チタンをコーティングしたガラス上に塗布し、その分解速度を測定。8〜10時間でほぼ完全に分解する結果が出ている。

・抗菌機能
浴室、壁、天井の防カビ、防藻、外壁のカビ抑制
室内クロスの防カビ、室内浮遊菌の抑制

室内のクロスやじゅうたんなどに酸化チタンを塗布した製品における、大腸菌と黄色ブドウ球菌の抗菌性能の試験結果。三時間後にはほとんどの菌が死滅する結果が出ている。

・消臭機能
トイレ、浴室の消臭(アンモニア臭、カビ臭)
部屋のタバコ臭とペット臭抑制
 酸化チタンをコーティングしたタイルによる、有機ガスの消臭効果の試験結果。5時間後の吸着率は、アンモニア93.7%、トリエチルアミン93.3%、硫化水素37.0%という結果が出ている。

・空気清浄機能
化学物質過敏症の原因となるホルムアルデヒド(新建材や壁紙の接着剤から発生)
自動車の排気ガスに含まれるNOxや揮発性有機化合物を分解
空気浄化に効果をあらわします。
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試験検査成績書

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●光触媒作用による抗菌性試験 *トリガー1997年6月号より

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●光触媒作用による有機ガスの分解